笠間日動美術館では、「あなたの見た鈴木信太郎」と題しまして、ご来場者の方々より感想文をお寄せ頂きましたので、ご紹介します。
ご本人様のご希望により、ペンネームとさせていただきます。
■ペンネーム 西郷 良子さん 20歳 女性 茨城県在住
この度の日動美術館の展覧会を一言で言わせていただくと、重量感を感じる展覧会でした。
大きな絵が多いという点もありますし、鈴木信太郎の作風がそう思わせたのかもしれません。
わたしは特に、「像と見物人」という作品が気に入りました。鮮やかな色づかいと愛らしく描かれた像がマッチしていて、かわいらしい絵です。
『象と見物人』 1930(昭和5)年
鈴木信太郎さんの絵は、客観的ではなく主観的に見れるような、もしくはなじみやすいと言ったらいいのでしょうか、そんなところに魅力があると思います。
身近にある風景…どこかで見た事のあるような景色、そのような絵がたくさんありました。
わたしが一つ、疑問に思った点は、なぜ同じ場所を何度も描いたのでしょうか。何度も旅をしてまで描き続けたその風景に、何を思ったのでしょう。それほどまでに気に入った景色だったのか、何度描いても納得がいかなかったのか。心中はわかりませんが、これもまた鈴木信太郎の魅力なのでしょう。
一度目で、彼の作風を楽しみ、2度目でその描かれたものに思いをよせてみる、そのような展覧会でした。
もう一度見たい作品がありますので、また、美術館に足を運びたいと思います。