笠間日動美術館:学芸員便り

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■奥谷博氏、パリユネスコ本部で個展開催

2007年03月26日

奥谷博氏、パリユネスコ本部で個展開催

現在、当館の日本アメリカ館で特別展示中の奥谷博氏が、パリユネスコ本部で個展を開催されます。

1972年に制定された世界遺産条約採択35周年記念展である今展では、フランス、イタリア、ベルギー、トルコ、中国そして日本などの世界遺産に取材した1968年から2006年までの作品32点が紹介されます。

奥谷氏は1967年に第1回文部省芸術家在外研修員として1年間パリに滞在、その後再びヨーロッパに渡りました(1971 - 72)。その折、南仏ニースでアンドレ・マルローの企画による「空想の美術館」展を鑑賞し、はっと息を飲む作品に出会います。

それは西洋の名画ではなく京都神護寺所蔵の国宝「平重盛像」でした。

藤原隆信筆と伝えられるこの傑作は異国の土地に暮らす奥谷氏に日本文化を再認識させ、西洋の真似ではなく日本人の油絵を描くことを決心させます。

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幾度かの海外研鑽を経て独自な画風を確立し、常に日本具象洋画界をリードしてきた奥谷氏。この記念すべきパリでの個展に、フランス在住の方、幸運にもこの時期パリをお訪ねの方、どうぞ足をお運びください。

当館、日本アメリカ館では引き続き奥谷氏の作品を特別展示いたします。今後とも奥谷氏の活躍にご注目ください。


【展覧会概要】

世界遺産条約採択35周年記念
奥 谷 博 展  - 訪ねた世界遺産 -

主 催:ユネスコ本部世界遺産センター
後 援:ユネスコ日本政府代表部
協 力:日本藝術院
会 期:2007年3月23日(金) - 4月4 日(水)
会 場:パリ、ユネスコ本部 ミロホール1.2.3