《評価されるフジタ研究 2冊の著書》
「フジタのアトリエ物語」をご講演をいただいた林洋子先生が、11月14日、第30回サントリー学芸賞を受賞されました。
レオナール・フジタは、82年の生涯に膨大な作品を残しました。林先生の受賞作『藤田嗣治 作品をひらく』は、旅・手仕事・日本をキーワードに、その画業を検証した労作。参考図版が多数掲載され、わかりやすく構成されています。
また昨年末には、歿後40年を前に、フランスのフジタ研究家シルヴィー・ビュィッソン氏による『F0UJITA inedits』 が刊行されています。
「フジタとモンパルナスの仲間たち」の企画は、600点もの未発表作品を収録したこの画集の編纂に、当館が協力したことから始動しました。本展会場に展示中の作品も、複数掲載されています。
二人の女性によるこれらの著書は、多年にわたる研究の成果であり、フジタの画業の検証に重要な役割を果たすものです。今後、フジタは国際的にますます注目されていくことでしょう。
「フジタとモンパルナスの仲間たち」の会期も残すところわずかとなりました。
巡回はいたしませんので、お見逃しなきよう、是非ご来館ください。
ご紹介した著書は当館ミュージアムショップで好評発売中です。 (KA)
・『藤田嗣治 作品をひらく 旅・手仕事・日本』
林洋子著/名古屋大学出版会/定価5,460円(税込)
・『F0UJITA inedits』
Sylvie Buisson著/AL’Encre Rouge、Archives Artistiques共同出版/
全416頁(120頁のテキスト・未発表の600作品を含む700作品を掲載)/28.5×25cm/
仏・英・和(三カ国語による初めてのフジタ画集) /定価:\8,000(税込)