千葉県にお住まいのY氏から、「三重県立美術館所蔵名品展」の感想をいただきました。
新緑萌える5月初旬、笠間日動美術館で、思いがけず多くの名作に出会え、楽しい時間が過ごせたとのことでした。
本展会場では、数々の風景画の名作に出会えます。
中でも、Y氏の記憶に残る作品は、浅井忠の「小丹波村」。重厚な作品ではあるが、描かれた風景の中に、素直な気持で入っていける気がしたそうです。
また、「裸婦」の名作も壁を飾ります。
中村不折、満谷国四郎、小出楢重、林武、里見勝蔵、安井曽太郎、藤島武二、前田寛治ら、それぞれ作家の個性に彩られた、いずれおとらぬ裸婦の競演が見られます。
前田寛治「裸婦」と奥に「赤い帽子の少女」
その中でY氏は、中村不折、林武、里見勝蔵の作品をあげられました。
中村の滞欧時代の裸婦は、アカデミックで品の良さを感じさせる作品です。
普段は、ルノワールの光を反映するような、柔らかい肌の女性像がお好みだそうですが、今回は、林、里見の作品に、また違った魅力を見い出されたようです。
女性のたくましさを感じさせる林の裸婦、うねるような身体の線が魅惑的な里見の裸婦。いずれも燃え立つような力強さに圧倒されます。
このあと、Y氏は、「特別展示 竹久夢二」のご鑑賞に春風萬里荘にまわられました。夢二の作品を楽しまれ、そして時代を経た萱葺屋根の建物、庭園の緑に心和まれたご様子です。
Y氏の鑑賞方法は、作者の名を見ず、素直に好きな絵、心に訴えかけてくる絵を、楽しむことだそうです。スポーツマンのY氏、絵は専門外で・・・と謙遜されましたが、いえいえ、深く作品と向き合っておられます。
今後とも、当館では皆様の心に残る展覧会を企画していきたいと思っています。
皆様のご来館を、お待ちしております。(KA)