展覧会オープンの際のブログにも書きましたが、作品には何も貼りつけてありません。
これは全て描いているのです!
驚きですよね。美術館スタッフも、作品を目の前に「貼り付けてあるんだよね?」と一言。違います。
作品を目の前にご説明をするのですが、納得されないお客様もしばしば。
さらには、絵が浮き上がって見えるので、皆さん作品の前に立ち、横から、斜めから様々な角度で、
疑うように鑑賞なさっています。
「飛び出し注意!」ならぬ「だまされ注意!」の看板を設置したい気分になります。
木津先生の作品には、古びた看板や注意書きといったモティーフが多く登場してきます。
しかし木津先生が描かれているのは、ただの古びたものではありません。
木津先生は、長い年月の中で、雨風にさらされ風化していったものに、平和な時間が流れいた痕跡を見ているのだと、おっしゃいました。戦争での悲劇や、事故でもなく、時間をかけてゆっくりと姿を変えていったいったものが木津先生のフィルターを通して、新鮮な形となって現れているのです。
是非、会場に来て、“平和な時間”の痕跡を感じてみて下さい。(SR)