「木津です。
久々の大きな展覧会で、僕自身、過去の作品を観る事が出来て当時の自分に出会ったような気がして、その頃の情熱に触れることが出来た気がします。
今回の展覧会で一番大きな成果はいろいろな方に出会えた事ですかな。
普段の個展ではギャラリートークも含めてお客さんと会話をする事も普通にあると思っていたのですが、今回、笠間日動美術館での展覧会では、特にその機会と量が多かった気がします。
アトリエでカンヅメになって自分を痛めつけて作品を制作し続けている自分にとって、他人の目で見た感想には飢えている処があるし、自分では自作は失敗した所とか、未熟な所しか眼に入らないので、だんだん元気が無くなってしまうのですが、お客さんから褒められると、とても元気が出ます。作品が批判されたり無視されるのは「なにくそパワー」の源になってやる気が出るのですが、それだけだと結局落ち込んでしまうので、年に5日くらいある、そんな「ハレ」の日はとても貴重です。
同時に、全ての作品を描いていた時期を思い出すと、どれもギリギリに追い込まれた状況で完成した物ばかりなので、綱渡りの日々でよくまあ続けてこられたもんだ、と涙なくしては観られない気もします。何時になったらじっくり作品と向き合って完成させられるのか、そんな夢物語ばかり考えてしまいますが、定年退任するまでそんな日は来ないかもしれませんね。」
笠間に来るたびに、街中をご取材して帰られる木津先生。
いつか、木津先生の作品の中に笠間の姿が見られるかもしれません。
さて、木津文哉先生の最新作を含めた個展が、来月からスタートします!
今回の展覧会を見た方もそうでない方も、お見逃しなく。(SR)
◆詳細◆
「木津文哉個展」
会期:2009年9月25日(金)ー10月4日(日)
※25日、26日は木津先生によるギャラリートークがあります。
場所:日動画廊 本店/銀座5ー3ー16
問合:TEL 03?3571?2553
会期:2009年10月13日(火)ー10月21日(水)
場所:名古屋日動画廊 名古屋市中央区栄2ー2ー1
問合:052ー221ー1311