信州の下駄スケート(金山平三の作品から)
4月28日、「金山平三・佐竹徳の世界」会場にてギャラリートークを行いました。
当日は佐竹徳が後半生を過ごした岡山県からはるばるお越しいただい方がおられたり、その後、信州生まれのご婦人からお手紙を頂戴したりと、当方にも大変嬉しい一日となりました。
ありがとうございました。
結氷した諏訪湖をすべる金山平三(左)
ギャラリートークでは、金山が描いた「スケートリンク」を前に、諏訪付近が日本の下駄スケート発祥の地であることなどをお話いたしました。
金山はフランス時代からスケートに親しんでいたといいます。アイスダンスのステップを踏んでいるかのようなこの写真を見ると、金山は大変な上級者であったようです。
いただいたお手紙の中に、下駄スケートにちなんだ興味深いお話がありましたので、紹介させていただきます。
「私は信州に生まれ、下駄スケートは叔父が得意でした。青春時代、運動場は冬、スケート場になり、私も下駄スケートで足の痛さに耐えてすべりまくりました。勿論スキーもです」
ご婦人は青春時代を懐かしく思い出してくださったのかもしれません。足の痛さを我慢しても滑りたかった下駄スケートは、とても面白い遊びであったのでしょう。金山の絵の中に、頬を赤くそめスケートに興じる少女の姿が現れてくるような気がいたしました。
作品に思い出を見出したり共感したりと、美術館には自分をみつめる時間があります。
どうぞまた、お遊びにおいでください。お待ちしております。
追記
お手紙を下さいました方には、お礼を申し上げたく存じます。
笠間日動美術館金澤まで、ご連絡をいただければ幸いでございます。
(KA)