5月25日、日本館1階特別展示「はじまり はじまり!井上悟展」(7月11日まで)がスタートしました。
日常という舞台の幕がスルスルとあがり、物語の始まりを予感させる…。井上悟の作品は日常に隠れている一瞬の“間”を切り取り、なんでもない時間を劇場に変えてしまいます。
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5月25日、日本館1階特別展示「はじまり はじまり!井上悟展」(7月11日まで)がスタートしました。
日常という舞台の幕がスルスルとあがり、物語の始まりを予感させる…。井上悟の作品は日常に隠れている一瞬の“間”を切り取り、なんでもない時間を劇場に変えてしまいます。
会場入り口、昨年12月に撮影された88歳のジローの写真が来館者を迎える「花の女 フランソワーズ・ジロー展」。
このたび6月3日まで会期を延長することになりました。
今でも十分に美しく、高い品性を感じさせるフランソワーズ・ジロー。その凛とした生き方は、容姿や作品にあらわれています。
これまで日本では、欧米で活動する彼女の作品を見る機会はほとんどありませんでした。本展では、パリ、ニューヨークで集荷された1942年から2008年まで、66年にわたる50点余りの作品がご覧いただけます。
朱色の手提げ盆をささげてポーズをとる一人の女性。
その盆には、見事に実った果実がいっぱいに盛られています。
重心を左足にのせ、女性らしいやわらかなポーズをとってますが、女らしい美しさというよりは、むしろ生命の力強さを感じさせる作品です。豊満な女の体に、強くしまった筋肉の動きがとらえられ、がっしりとした安定感を出しています。盆からあふれ出る葡萄のたわわな房や、みずみずしく色づいた果実は、完熟の甘ずっぱい香りでアトリエを満たし、女もまた、その香りを体から発しているようです。
鑑賞者は、まずその迫力に足をとめざるを得ないでしょう。
力強くひかれた輪郭線は、肌や果実に濃密さを与え、体の曲線に沿い流れるような筆致で描かれた壁は、女を画面の外へ外へと押し出すようにうねり、画面全体から脈打つような生命感と重厚感がこちらに迫って来ます。