笠間日動美術館:学芸員便り

ホーム / 学芸員便り / ArtNews 笠間日動美術館

■「日本近代洋画への道」見どころのご紹介(1)

2008年12月13日

高橋由一「鮭図」明治12ー13年(1879ー80)

高橋由一は文政11年(1828)、佐野藩の江戸屋敷に生まれました。はじめ日本画を学びますが、西洋の石版画に感銘を受け、文久二年(1862)に番書調所画学局に入り、慶応2年(1866)、『イラストレーティッド・ロンドン・ニューズ』の特派員ワーグマン(英人)に実技の指導を受けています。1878年のパリ万国博覧会に出品、また私画塾を開いて、後進の指導にもあたりました。一貫して写実を追及し、日本近代洋画における先駆者として、高い評価を得ています。


続きを読む »

■「フジタとモンパルナスの仲間たち」見どころのご紹介(番外)

2008年11月17日

《評価されるフジタ研究 2冊の著書》

「フジタのアトリエ物語」をご講演をいただいた林洋子先生が、11月14日、第30回サントリー学芸賞を受賞されました。

レオナール・フジタは、82年の生涯に膨大な作品を残しました。林先生の受賞作『藤田嗣治 作品をひらく』は、旅・手仕事・日本をキーワードに、その画業を検証した労作。参考図版が多数掲載され、わかりやすく構成されています。


続きを読む »

■「フジタとモンパルナスの仲間たち」見どころのご紹介(4)

2008年11月13日

《フジタの挿画本の世界》

フジタのあまり知られていない仕事に、豪華本の挿絵がありました。
木版、銅版、石版の技法で、約50冊を残しました。
乳白色の裸婦を描いた、しなやかで正確で、毛髪のように細く、そして鋭い・・・
共通の「線」がそこにはあります。


続きを読む »

■「フジタとモンパルナスの仲間たち」見どころのご紹介(3)

2008年11月13日

《パリに学んだ日本人画家たち》

大戦景気に沸いていた第一次世界大戦直後の1920年代初頭、日本では国力の高まりを背景に、芸術の分野でも多くの日本人がパリに渡りました。一時期、400人の日本人がいたといわれます。
その筆頭がフジタでした。大戦後に復活した「サロン・ドートンヌ」で大成功をおさめたのです。


続きを読む »

■「フジタとモンパルナスの仲間たち」見どころのご紹介(2)

2008年11月13日

《フジタとエコール・ド・パリ》

西ヨーロッパの中心に位置するフランスでは、地理的優位性からさまざまな文化を受け入れ、融合してきました。
二つの大戦に挟まれた僅か10年ほどの間、パリのモンパルナス地区にはさまざまな国から集まった多くの芸術家たちによって、異彩を放つ文化が花開きました。とくに絵画の分野では、「エコール・ド・パリ」と呼ばれる潮流が形成されました。
そこには美術史を彩る個性豊かな作品群が残されました。


続きを読む »

38 / 43