笠間日動美術館:館内のご案内
日本館
日本館5F 奥谷博記念室
2017 年、文化勲章を受章し、名実ともに 21 世紀の日本洋画界を代表する画家、奥谷博氏。1966 年に第 1 回昭和
会展で昭和会賞を受賞されて以来、弊財団の代表理事、長谷川徳七は氏と交友を深めながら、「風生」や「阿修羅」など
の作品を収蔵してまいりました。
そして2023年4月1日より、「奥谷博記念室」を開設する運びとなりました。
奥谷氏のご協力により新たな作品を加え、1955 年作の「二十歳の自画像」から 2021 年作の「底力」までをご紹介し
ます。様々なモチーフに取り組みながら、長年にわたり日本洋画界を牽引する奥谷氏の画業をご覧いただければ幸い
です。
日本館3F 金山平三・佐竹 徳 記念室
2015年10月1日、「金山平三・佐竹徳記念室」をパレット館3Fに開設しました。
様々な美術思潮に惑わされることなく、清澄な色彩と闊達な筆致で気品溢れる名作を生み出した金山平三と佐竹徳。
本展示室では作品、関連資料とあわせて画家本人や関係者の言葉を掲示しています。適時、展示替えを行っています。
金山平三(かなやまへいぞう)明治16年(1883)-昭和39年(1964)
神戸に生まれ、東京で没。明治42年東京美術学校西洋画科本科を主席で卒業。明治45年から大正4年、ヨーロッパに留学し多くを吸収する。5年文展初入選・特選、6年特選。以後文展、帝展に出品。昭和10年松田改組による美術界の混乱を機に画壇から離れる。昭和19年、帝室技芸員。昭和22年より山形県大石田に制作の拠点を移す。昭和32年、長い沈黙を破り大回顧展を開催し翌年、日本芸術院会員となる。優れた色彩表現と安定した画面構成によって独自の画境に到達、また画材を厳選するなど、生涯を通じて油彩画のマティエールを探求した。とりわけ雪景の評価は高く「雪の金山」と称された。
佐竹 徳(さたけとく)明治30年(1897)‐平成10年(1998)
大阪市に生まれ、岡山で没。関西美術院、次いで川端画学校に学ぶ。大正10年帝展特選、この年、画集で見たセザンヌの作品に感銘を受ける。昭和4年帝展特選作が宮内省買上となる。翌年より無監査。昭和15年以降、十和田や奥入瀬などを取材。21年日展特選。34年岡山県牛窓町の風景美に惹かれ〈オリーブ園〉を中心に制作、38年から1年の大半を牛窓で過ごす。42年新日展にて内閣総理大臣賞。43年「オリーブと海(牛窓)」で日本芸術院賞受賞。44年から4年にわたり日展理事。平成3年日本芸術院会員。あらゆる命を慈しむ人柄と求道的な制作姿勢により「牛窓の聖者」と呼ばれた。
日本館2F 小品展示室
年に2回展示替えをしています。
例年、春・夏は堀進二、清水多嘉示、木内 克、伊東 傀ら彫刻家をはじめ岡田三郎助、梅原龍三郎ら画家の小品彫刻を展示、秋・冬は児玉幸雄(画家 1916-1992)旧蔵のジュモー、ゴーチェらのフランスやドイツのアンティークドールを紹介しています。
日本館1F パレットコレクション
世界的にも珍しいパレットコレクションをご覧いただいています。
ユニークなパレットコレクションは、ユトリロが愛用のパレットに絵を描いて画商ペトリデスに贈ったように、当館創設者・長谷川仁が多年のおつきあいがあった画家たちから譲り受けたものです。
おおかたのパレットには絵の具の配色だけでなく、その画家の好む主題が描かれています。花、裸婦、風景、人物などやパレットの指穴を利用してユーモアにあふれた絵を描くなどあきることがありません。パレットの配色に、画家の創作の秘密をうかがい知ることもできます。
適時、展示替えを行っています。